プレゼンコンテスト

 離職における大きな原因の一つに、「モチベーションを維持できない」ことがある。賃貸管理業は、社員の大半が営業職以外であるから、営業社員以外のモチベーションをいかに高めるのかが、離職率を減らす鍵ともなる。営業という職種は「売上げを作った=成績優秀者」というのはわかるが、それ以外の事務職やメンテナンス担当、クレーム対応担当などの社員は、目に見える成果を表現しにくいし評価もされづらい。管理の仕事は、部署によりそれぞれの業務の性質が異なるため、自分の仕事以外の全貌が見えにくく、他者がどんなに良い仕事をしても、なかなか関心が向きにくいのである。

 そこで「業務プレゼンコンテスト」というイベントを取り入れてはどうか。「実績部門」と「改善アイデア部門」の2つの部門にわけ、半期に一度、自分の行った実績やアイデアを社員全員の前で「発表」するのである。実績部門では、半期の実績(業務改善や新しい仕組みなど)において、評価会議の中で特に点数が高かったものをノミネート作品としている。日頃行っている仕事は、なかなか人に見てもらえる機会が少ない。営業のように「数値」で業績がわかる職種であれば良いが、管理業務はバックヤードの仕事も多い。バックヤードの職種がどれだけやったのかを、なかなか会社の上層部にアピールすることは難しく、一般の社員は実はこの辺りがモチベーションが下がる要因なのである。

 このようなイベントを通じて、普段お互いに知らない仕事内容を知ることができ、知識共有も図れる。また、プレゼンターの新たなる一面を見られたりで大いに盛り上がる。このイベントは、強制的にやらされているものではなく、むしろ社員が自ら考え、プレゼンを行い、楽しむ姿勢を持つことが重要で、社内コミュニケーションの場という位置付けにするのも良い。どんな仕事でも楽しむ姿勢を持つことで、それぞれの仕事に誇りを持つことができ、各々のモチベーションに繋がっていくのである。