時代を生き抜く力

復活? 今井観光

ゲストをアテンドという、久々に今井観光が復活です。群馬、埼玉、西東京、そして新宿と関東を攻めまくる1日のスタートです。

東京から関越自動車道の上里サービスエリアを降りて、そこから国道17号を目指します。国道にぶつかって左に曲がってしばらく進むと群馬県の県境。そこを過ぎたらすぐに現れるのが、株式会社原田が運営する「ガトーフェスタハラダ」です。

まるでお城のようなこの建物で、ラスクの販売がされているのですが、工場もまるでお城のような建前です。

株式会社原田とは

おそらく皆さんみたことあるかと思いますが、これが「グーテデロワ」。まー、乾かしたパン、人呼んで「ラスク」というやつですw

この会社、Wikipediaを調べてみると。

1901年和菓子業として創業し、創業者である原田丑太朗が多野郡新町(当時。現・高崎市新町)で和菓子店「松雪堂」を開業した。太平洋戦争に突入すると砂糖をはじめとする原材料の調達が困難となり、終戦後の食糧統制下にあった1946年にパン製造を開始、主に学校給食向けパン需要を中心とし、一般客向けのパンと洋菓子の製造販売をするようになった。しかし、バブル崩壊後の贈答菓子の需要低迷、およびスーパーマーケットとコンビニエンスストアの台頭により業績が悪化し、1997年から3期連続の赤字となった。製パン業の時代から余剰となったパンをラスクとして加工し販売しており、予てより好評であったことからこれを「グーテ・デ・ロワ」のブランドで2000年から発売。発売当初は売り上げが少なかったが、都内百貨店の物産展などでの販促が功を奏して売り上げが伸び、経営危機を克服して洋菓子メーカーとして急成長した。

ようは、給食パンを提供していたら、バブル崩壊後に市場環境が色々と変わったことで、業績が悪化してきたんだそうです。パンを作る過程で余ったパンをラスクとして加工販売していたものを、これを機にしっかりとブランディングして販売したところ、全国の百貨店の物産展で大ヒット。

高級洋菓子店ブランドとして、不死鳥のように蘇ったのだそうです。以前、大阪の阪急でラスク販売してるのみたときに、1時間待ちで並んでいましたからね。。あの時は、かなり驚きました。

2015年の3月期で、売上180億だそうです。(驚)

乾燥したパンを売って収益あげてるわけですからね、すごいです。たしかに美味しいですけどね。サクッとした食感、バターの風味、程よい甘み。個人的にあまり甘いものを食べないので、あとを引くのはかっぱえびせんの勝利だとは思いますが。

市場環境の変化へどう対応するのか

どんな業種でも、市場環境が変わることで企業が衰退することはよくある話です。市場環境やイノベーションによって、大きく世の中が変わる時、イノベーションジレンマで、大きな企業ほど変化に対応できない…よくある話です。

ガトーフェスタハラダは、パンと言うコア事業からピボットして、見事に殻を破り捨てたと言うことになります。

午前中にお世話になった会社さんも、午後お世話になった会社さんも、みんな世の中の変化に敏感に反応して「生き抜ける力強さ」を感じました。新しく変わる企業、新しいものを生み出す企業、生まれては消え、消えては生まれるのです。

時代が大きく変わるとき

1853年、江戸末期に鎖国を行なっていた日本にペリーがやってきました。300年も国交がなかったわけですから、完全ガラパゴス状態ってなんともすごい話です。

明治になってから、日本は欧米に追いつくために一気に文明開化して行ったわけですが、廃刀令とか正直、侍たちは「は?なに言っちゃってんの?」って感じだったんだと思います。刀を持つことこそが、何百年も前から刀を持つことが当たり前だったんですから。当たり前にあるものを根底から覆されるとき、どう感じてどう動いたのでしょう。

いま世界はコロナ禍真っ只中ですが、これまで世界は何度も何度も同じようなことがあったはずです。その都度、世の中に順応していけるもの、そして新しい未来を作っていくものこそ、新しいリーダーとなり新時代を作っていくのでしょうね。

ご馳走になった、レストラン「馬車道」の「ペリー来航スパゲッティ」を食べながら、世界の変化とどう生きていくべきか…なんて感じてしまいました。和風クリームトマトスパゲッティ、これも変化への対応なのかもしれませんね。

夜、久々の越後料理を頂きながら、変わっていくもの、変わらないもの、それぞれに良さがあるんだなって感じました。この大ガードの景色だって、この10年で大きく変わりました。

そんなわたしも今日でまた一つ歳を重ね、変わりゆく世の中を生きているんだという実感を、毎日ヒシヒシと感じています。

今月末から始まるCPM公式セミナーで、ヒューマンリソースについて講義をしますが、変化への対応を伝える立場であるからこそ、より変化を起こさなければいけない、そんな新たなる一年にしていくつもりです。