業績アップのための、3つのポイント③(ルール化)

 前回の「仕組み化」に引き続き、『ルール化』について解説をします。いくら良い仕組みが出来たとしても、結局それを実行するのは人ですから、仕組みを活かすための「ルール化」が必要です。ルールの取り決めが無い場合、個々人がそれぞれ好き勝手な解釈で場当たり的に物事を進めるため、マネジメントの観点から見ると業務全般の管理が難しくなります。

 突然ですが、皆様の会社ではパソコンを取り扱う時のルールなどは存在していますか。今やビジネスにおいてパソコンは無くてはならないものとなりましたが、利用頻度が高い割に誰からも教えられることなく、以外と好き勝手に使われていることが多いのです。例えばパソコンのフォルダ管理のルールがなければ、似たような内容のフォルダがやみくもに増え、ファイルはあっちこっちに散らばってしまい、どこになにが保存されているのか見当がつかなくなります。先日実際にあった話なのですが、ある会社で業務のほとんどを捌いている核となる人物が病に倒れてしまいました。家賃の集送金日が近づき、不明点が多すぎるため、残された人と共に手探りでパソコン内の膨大なファイル郡から情報を取り出そうとしました。はじめに「オーナー一覧」を探したのですが、ファイル保存のルールが無いためにタイトルで検索ができず、ファイルを特定する事ができませんでした。それ以外にも、欲しい情報を探す事ができなかったのです。個々人に貸与しているパソコンには、会社の大切な資産である「情報」が詰まっているのに、ちょっとしたルールが存在しないことで、実は潜在的な不利益が生まれているのです。つまり、パソコンという「仕組み」を使うための「ルール」が重要なのです。

 情報管理の一端ですが、以前勤めていた会社ではファイルを作成した時には「20141104_〇〇様空室対策提案.ppt」と、日付を必ず先に入れタイトルを付けるという全社的なルールがありました。それにより、フォルダ内に同じカテゴリーのファイルが混在した時でも、誰が見ても特定がしやすいというメリットがあります。幾多にもなるファイルから特定のものを見つけ出す時に、『あ〜、あれどこにあったっけなぁ…。』などと、探す時間にいったいどれだけの時間を費やしているでしょうか。小さなルールが、組織全体のムダな時間を減らすための生産性向上への一歩にもなります。それからルールが積み重なることで、業務の標準化もしやすくなります。標準が出来ると、「人の教え方によって新人の能力に差が出る」ことや、「退社により組織知が消えてしまう」ことへのリスクヘッジともなります。全ての業務においてルールを取り決め、それらを文字化していくことで、仕組みを最大限に活かせるようになります。