<高離職率と向き合う>
中小不動産会社には1つのよく似た傾向があります。それは離職率の高さです。数年働いたうえで退職ならまだしも、1年、早ければ数ヶ月ごとに人が入れ替わっている会社も珍しくありません。私見ですが、不動産業界は他業界に比べると給与水準が比較的高く、特別な技術もそれほど必要としない一方で、その労働環境は休日が少ない・長時間労働・体育会系気質といったマイナス要素が充満しており、期待と現実のギャップから退職を選ぶ社員が多いのだと思います。
加えて、不動産業が人的資源に頼った「サービス」を中心としていることも厄介です。業務の遂行を人の力に頼っているということは、人が辞めた時にはその負担が周囲のスタッフに降りかかる構造になっているということです。ただでさえ人の辞めやすい多忙の環境であるところに、新たに退職者が発生することで、残されたスタッフの労働環境がさらに悪化し、それがまた新たな退職者を生んでしまう——、まさに、負のスパイラルです。人が固定され、育っていかなければ、ノウハウも蓄積されず収益の改善も実現されません。
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