■思い切って年休120日を実現するも手。
残る問題は、「どうやって考える仕事の時間を作るか」と「どうやって採用をするか」ですが、これには私に良いアイデアがあります。この採用難の時代、人を採るには募集広告のグレードを上げたり、給料を上げて募集をかけたりしなければ人が来ないと思いがちですが、別の方法でも会社に人を呼ぶことは可能です。身近な例で言うと、私の前職では、給料を上げる代わりに年間休日を120日にして募集をしました。(不動産業において、当時はまだ少なかった)不動産業界では年休90日台も珍しくない時代に、同社は完週休二日制を導入したのです。そしてその結果——、採用されたのが私です(笑)
休日を増やすことは、社員のモチベーション向上と新規採用の両方に効く素晴らしいアイデアだと思います。もちろん「休んだ分の仕事はどうするのか」という問題が発生しますが、外部の力を活用すれば解決は容易です。売上を作らない仕事、たとえば入居者からの電話対応や遠隔地の鍵交換といった仕事は、そもそも社員にやらせるのがもったいない生産性の低さです。外注すれば、社員はより生産性の高い「考える仕事」に集中できるようになり、売上も増加するでしょう。
家賃の安さが入居期間を決めるわけではないように、給料だけで長期勤続が成り立つわけではありません。人を残したいなら、仕事が楽しい、居心地のいい組織に変わるしかないでしょう。仕事の質、時間、満足度…、様々な方法で正のスパイラルを社内に作り、人財の残る組織へと成長させることが大切です。
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