管理戸数拡大の戦略

<見える化と提案ツール>

 組織内にスラックを確保したところで、次は提案できる体制の構築です。管理を受託するのに、口頭で獲得しようとしていませんか。クチのうまい営業マン一人だけに任せていては、いつまで経っても全体の獲得戸数は増えません。そこで重要なことは、受託提案ツール作りです。以前5月号で見える化とメニュー作りのことを書きましたが、さらにそれらを誰でも説明できるレベルまで作り込みます。ここでポイントですが、よくエクセルやパワーポイントで、手作り感たっぷりの資料にしている企業も多いのですが、お客様から目線で言うと「見た目」=「信頼感」です。どれだけ良い質の管理ができても、薄っぺらな資料ではそれなりに見えてしまいます。ここはしっかりとデザイナーにフィーをお支払いして、カッコ良いパンフレットやホームページのデザインにしましょう。

<営業チャネル>

 自社のサービスコンテンツが出来上がってきたら、次は営業をしなければなりません。一軒一軒ひたすら大家さんをまわるのも良いのですが、時間がかかりあまり効率が良いとは言えません。そこでオススメするのは、ワークショップ型セミナーです。一般的なセミナーというと一方的に講師が話をして、参加者が聞くというスタイルですが、それでは参加する大家さんの悩みや問題点を吐き出すことができません。そこでワークショップを通じてディスカッションなどを取り入れる参加型のセミナーにするのです。実在する物件の空室対策や、実際の入居者に参加してもらう入居者ニーズ意見交換などを通じて、大家さんに「話させる」ことで、参加者の満足度がグッと高まります。そしてなにより、管理会社のスタッフが一緒に学ぶ姿勢をとることで、自然と距離感が縮まるのです。

<まとめ>

 管理を増やすことに特別な方法などありません。組織体制を整え、サービスの差別化と見える化をして、情報発信をする。簡単なことのようですが、進める順序はとても重要です。まずは組織体制を見直すことから始めましょう。