賃貸住宅管理業者の責務とは(その2)

前回に引き続き、管理業者登録後の責務をみていきましょう。

管理業務の再委託の禁止

再委託の禁止といっても、幅広い管理業務の一部を再委託する分には問題ありません。
ここで禁止されているのは、全部まるっと再委託する場合です。

分別管理

自社の財産と、入居者やオーナーより預かった金銭とを分別して管理しなければいけないということです。
中には、預かり敷金を自社の運転資金にまわしてしまったり、敷金どころか月々の家賃を使い込んでしまう
という業者がいることも確かです。

なお、分別管理の方法は、自己の財産と物理的に分けることは必ずしも求められていません。
帳簿・会計ソフト上で管理されていれば大丈夫です。

帳簿の備え付け等

営業所または事務所ごとに、業務に関する帳簿を備え付けなければなりません。
これは委託者ごとに必要で、帳簿の内容としては
① 管理受託契約を締結した、委託者の商号・氏名
② 管理受託契約を締結した年月日
③ 契約の対象となる賃貸住宅
④ 報酬の額
⑤ 管理受託契約における特約その他参考となる事項
ということで、管理契約書で網羅している内容かと思われます。
また、必ずしも書面でなくても、電磁的記録で良いことになっています。

標識の掲示

営業所または事務所ごとに、公衆の見やすい場所に国土交通省令で定める様式の標識の掲示が
義務付けられています。

①  登録番号
②  登録年月日
③  登録の有効期限
④  商号、名称または氏名
⑤  主たる営業所又は事務所の所在地(電話番号含む)

委託者への定期報告

以下の事項について、少なくとも年に1度、また管理受託契約期間の終了後遅滞なく
報告書作成の上、委託者に報告を行わなければなりません。
① 報告の対象となる期間
② 管理業務の実施状況
③ 管理業務の対象となる賃貸住宅の入居者からの苦情の発生状況および対応方法

報告書作成の上、ではありますが、こちらも書面である必要はなく、
電子メール、ウェブサイト上に表示し、委託者がダウンロードする方法、記録メディアを
送付する方法など、電磁的な方法でも構わないことになっています。

秘密を守る義務

これは、ありとあらゆる契約において言えることですが、業務上取り扱ったことについて
知り得た情報を他に漏らしてはいけません。
賃貸住宅管理業を営まなくなった後においても、また従業員が退職した場合であっても
同様です。
一部再委託をした業者にも同じく秘密を守らせる義務が発生しますので、
再委託契約の際には、かならずその条項を入れるようにしましょう。

2回にわたって、管理業者の責務についてみてきました。
次回は、管理業法もう一つの柱、特定賃貸借契約の適正化のための措置等について
確認していきます。