賃貸管理サービスの可視化が、業務を改善する

<忙しさの理由は>
 ご存知の通り、賃貸管理は非常に煩雑で範囲の広い業務です。入居者募集、入居者対応、出納、建物維持管理…、オーナーに代わりに一手に業務を引き受けている賃貸管理会社は、どうしても多忙になりがちです。
 しかしよく観察すると、同じ「賃貸管理」を行なっているにもかかわらず「忙しくても儲かっている会社」と「忙しいわりに儲かっていない会社」に分かれていることに気付きます。中には、管理エリアもオーナー数も社員数も似通っているのに、売上に明確な差がついているケースが存在します。果たして、この差はどこから生まれているのでしょうか。
 一般に、管理戸数が増えれば忙しさも増し、比例して会社の売上も増えていきます。一方、儲かっていない会社は往々にして、管理戸数も忙しさも増しているのに売上だけが伸びない、という異常事態に陥っています。先述の「差」は、まさにこの部分に起因します。忙しく働いているのに売上が伸びないということは、つまり、スタッフが売上に見合わない業務を引き受け、タダ働きのようなことをしている、ということなのです。

<サービスを定義する>
 結論から言えば、こうした異常事態に陥る原因の大半は「管理サービスの内容」を明確に定義できていないことにあります。サービス内容が未定義であるために、なんとなく「賃貸管理に関係ありそうな業務」をすべて引き受けてしまっているのです。
 こんな例があります。ある管理会社が管理料を3〜6%に定めて管理受託を行なっていました。しかし、同社は自社の提供する管理内容を定義していなかったため、オーナーには「管理をさせてください」と言うだけで、詳細な説明なしに管理を受託します。オーナーとの交渉が難航した時は管理料を3%にし、スムーズな時は6%で契約します。管理戸数は順調に伸びていきましたが——、さて皆さん、この会社は数年後、どんな状況になったと想像しますか?
 タダ働きを避けるためには、業務と対価の定義が必要です。自社の管理業務をひとつひとつ「5%ではできない」「7%ならできる」と仕分ける必要があるのです。オーナーの期待に応えることは重要ですが、無理難題を引き受けてばかりでは社内のリソースをすり減らすばかりです。貴社が行なう管理とは、具体的にどういうことなのか。オーナーにきちんと納得いただくためにも「管理メニュー」を作らなければならないのです。