賃貸管理会社(PM)が、備えるべき能力

 業績が上がらない、 管理戸数が伸び悩んでいる…、悩みを抱える全国の賃貸管理会社様をご支援させていただくと、ある問題が共通していることに気がつきます。会社の規模は大小さまざまですから、これは賃貸管理業全体の特徴でもあるのでしょう。日々の業務は真面目にこなしているのに業績が上向かないのはなぜなのか? 今回は「賃貸管理会社が備えるべき能力」について考えます。

■「物件を管理するだけの会社」からの脱却

 引っ越しシーズンを終えた今、最も受けたくないオーナーからの連絡は「物件を売却することになりました」ではないでしょうか。おまけに「買主が別の会社に管理を任せたいと言っているので、引き継ぎをお願いします」などど言われてしまっては、この繁忙期の努力も水の泡。せっかく頑張って入居付けや日々の管理を行ってきたのに、管理が離れてしまうばかりか売買仲介にも関われないなんて、不動産会社としてこれほど悔しいことはありません。一番の理想は、オーナーから「物件を売却したいのだけれど、相談に乗ってもらえないかな?」と打診を受け、専任媒介を頂いた上で他の自社管理オーナーに購入していただき、「管理がそのまま残る」のが、管理会社としての理想像です。

 しかし、もし皆さんが「賃貸管理はこういうものだから」と諦めてしまっているとしたら、それは大いにもったいない話です。賃貸管理会社は、本来はむしろ積極的に売買等に絡めるビジネスのはずだからです。賃貸管理は仲介業にはない、オーナーと継続的取引ができるという特性があります。日常的にオーナーの情報を収集・蓄積できる賃貸管理会社には、売買仲介・新築企画・リノベーションなどのビジネスチャンスが広がっているのです。

 そのチャンスを活かせていないとしたら、原因は「貴社がどう見えているか」にありそうです。オーナーにとっての貴社のイメージは、もしかして「単に物件の清掃やクレーム対応をするだけの会社」になってしまっていないでしょうか。