賃貸管理業務を『見える化』する

<現状分析>

 現状分析では、自社を取り巻く業界の機会・脅威(外部環境)、それから自社の強み・弱み(内部環境)などを、総合的に判断しなければなりません。そのためにSWOT分析(※1)という手法を用いて、自社の特性を客観的に診断します。その中でも最も着目すべきポイントは『強み』にあります。できるだけたくさん書き出してみましょう。いくつか例を挙げると、「地域No.1の客付け力」「管理エリアが2km圏内に集中」「入居率が95%以上」「情報発信力が高い」「差別化された独自の管理体制」などがあります。弱みを補うよりも強みを強化する方が、競争優位性を高めやすく、企業の価値をアピールする上では効果が高まります。

<強みを絞る>

 「強み」を出したら、できるだけ他社が追随しにくいものを、2〜3つ程度に絞り込みます。徹底的にその強みに焦点を当て、メリットを書き出します。例えば、当社(管理会社:アートアベニュー)では賃貸借契約に「再契約型定期借家契約」を用いています。定期借家と言っても「再契約型」としているので、入居者は契約違反を犯さない限り、普通賃貸借同様「原則的に」住まい続けることが可能です。普通賃貸借に比べて手間は増えますが、悪質な入居者が居座り続けて、良質な入居者が退去する経営リスクを減らすことができます。再契約型定借はオーナーにも入居者にもメリットがあるのですが、管理会社に手間がかかるというだけで、なかなか他社は追随してきません。よって、当社の明確な「強み」となっているのです。