騒音トラブルを考える

共同住宅を管理していると、かならず経験するのが「騒音トラブル」です。
設備トラブルと違い、完全に解決することが難しい、もっとも頭を悩ませる問題なのではないでしょうか。

解決が難しい原因として、音をうるさいと感じる感覚が人それぞれだということがあります。
同じ「子供が泣く、飛び跳ねる」音を、元気だなぁと思う人もいるし、迷惑だと思う人もいます。元気だなぁと思う人であっても体調が悪いときは、うるさいなぁと思っちゃうわけですね。

生活リズムの違いでトラブルになることもあります。日勤の人と夜勤の人とでは当然活動時間帯が違うわけで、朝9時の掃除機の音がたまらない!といったクレームもあります。

夜中に大人数で騒ぐ、など明らかな迷惑行為があった場合のほうがよっぽど対処しやすく、感覚の違いや生活リズムの違いによる騒音クレームは、管理会社でジャッジできるものでもなく、問題が長引きやすいものです。

しかし、実は当人同士が顔を合わせ、相手の事情を知ることにより、騒音が騒音でなくなるケースもあります。うるさいと思っていた上階の子供が「こんにちは」と挨拶しただけで、音が気にならなくなったという話も聞きます。

しかしながら、管理会社としては、それを推奨するわけにはいきません。現に殺人事件にまで発展した事例もあり、さらなるトラブルを引き起こさないために、介在せざるをえないところが辛いところです。

騒音トラブルの解決方法に正解はなく、特に生活音については、騒音元にもクレーム元にも寄り添った細やかな配慮が大切になります。また、建物の特性によっても音のひびき具合が変わったりするので、そういった知識も必要になります。

解決にあたり、過去の同様のトラブル履歴は参考になると思います。また対応の履歴は、トラブルが発展した場合にも有効な資料となりますので、しっかりと残しておきましょう。