不動産オーナーとのコミュニケーション

<問題のない物件が「問題」>
 今年も賃貸業界に繁忙期がやってきました。一年でもっとも忙しくもっとも稼げるこの時期にどれだけ空室を埋められるかという課題は、会社の業績を左右するのはもちろんのこと、オーナー様との良好な関係を維持するためにも重要なミッションであると言えます。お得なキャンペーンを用意し、募集条件を改訂し、空室を埋める手を考えつく限り打っていきましょう。ここで築いた稼働率の高さは、必ずや管理受託営業の強力な武器となるはずです。

 ただ、気を付けなければならないのが、特定のオーナーとのコミュニケーション不足です。



 この時期はどうしても業務量が膨れ上がります。決まらない部屋を決めるため、あるいは原状回復について、オーナーと接触する機会も普段よりずっと多くなります。しかしその一方で、コミュニケーションの機会が減ってしまうオーナーが少なからず存在します。それは「普段から満室稼動」で「解約もほとんどない」「解約が出てもすぐに決まってしまう」そんな人気物件の「人柄が良くてクレームも言わない」ような、管理会社にとって有益なオーナーです。
 問題のないオーナーほど、このコミュニケーション不足が問題になります。そしてその問題は、ある日突然「このたび物件を売却することになりまして…、新しい管理も売買仲介をしてくれた会社がやってくれるようです。今までありがとうございました」そんな風に言われて初めて表面化するのです。

<接点をどう作るか>
 前述のような管理離れは会社にとって大きな機会損失です。なぜなら、これはただの管理離れではなく、

(1)物件売却の専任媒介を受ける

(2)他の自社管理物件オーナーに非公開物件の購入提案をする

(3)新オーナーに管理を継続してもらう

以上すべての機会を失ったことになるからです。
 なぜ、多くの管理会社がこの機会を失ってしまうのでしょうか。その理由は、不動産のプロとして伝えるべき情報が伝えられていない——オーナーへの情報発信が不足しているからに他なりません。管理会社は本来、資産形成の重要なパートナーであるべきですが、オーナーは管理会社を「物件を管理するだけの会社」としか思っていないのです。まずは「資産活用提案ができる会社」であることを知ってもらわなければなりません。



 そのためにはオーナーへの情報発信・接点作りが必要です。手段としては

(1)個別訪問

(2)会報誌

(3)セミナー・勉強会

(4)ブログ・SNS

(5)パーティー・宴会

などが考えられます。

時間は限られていますので、自社が最もパフォーマンスを発揮するバランスで情報発信を行なっていきましょう。たとえば、個別訪問は効果が大きい反面、1回につき一人のオーナーしか満足させられません。対して、継続的なセミナーや会報誌の発行は個別訪問より特別感で劣るものの、一度で多くのオーナーを満足させることができ、先述のような時期的なコミュニケーション不足の問題にも効果的です。

<情報発信の効率化>
 とはいえ、おそらく多くの方が「忙しくてそんなにできない!」と思われるでしょう。あるいは「セミナー講師をやれる人材がいない」「会報誌なんて書けない」という意見も少なくないと思います。確かに両者ともハードルが高めですが、しかしまったく方法がないわけでもありません。
 たとえば、地域の保険会社や銀行、税理士等と共催することで、セミナーの準備や当日の労力はかなり削減することができます。クラウドソーシングを活用すれば、安いコストで記事を書いてくれるライターとも出会えるかもしれません。あるいは、当社のような専門企業に任せることで、業務負担の軽減と品質の確保を同時に実現することも可能です。社内で業務が回せないのなら、社外のプロと手を組むことも検討して然るべきです。
 繁忙期明け、せっかく満室にした物件が突然売却されてしまうのは寂しいものです。管理会社としてオーナーとどう接するべきかを一度考えてみてください。

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