入居者に長く住んでもらう方法とは?

-アンケート調査で入居者のニーズを収集-

Q:繁忙期になると入居・退去する数が通常期の倍以上になります。退去理由を聞くと、事前に解決をしていれば、退去にならなかっただろうと思われることがあることに気づきました。既存入居者また入居希望者が何を望んでいるのかを知るために、どのような方法があるのでしょうか。

A:入居希望者が部屋探しの過程で何を重視しているのか。入居者が現在住んでいる共同住宅で何を感じているのか。口頭でのヒアリングだけではデータとして役に立つものになりにくいため、ウェブのアンケート機能を活用してできるだけ多くの意見を集めましょう。空室対策やリーシング戦略に非常に有効です。

<入居者が望んでいたこと…とは?>

 繁忙期となると入居・退去が増え、日常の業務量も通常期よりもはるかに増えて忙しくなる。入居・退去が増えれば、それに伴い顧客のニーズやそれらに付随するデータ収集ができれば大きな武器になるが、なかなかそこまで人員を割けない。本来「部屋探しの過程で、成約に至るためどのような経路で探したのか(消費者行動)」「どのような条件や設備を重視したのか」などを集計することが、顧客満足度の向上につながるのだが、実体は営業マンの感覚値しか活かされないため、思うように顧客満足度の向上に向かわない。一歩で既存入居者に関しても同様だ。入居者の大半が何のトラブルもなく住んでいただいている人たちだが、ある意味でそのような人と管理会社は、ほぼ接点がない。ある日いきなり退去の連絡が入り、そこで初めて入居中に「実はこんなニーズがあった」と知ることになる。もっと管理会社側から積極的に接点を取ることができれば、黄色信号の状態で改善して長く住んでくれたかもしれないし、ニーズを拾ってあげていれば入居者の満足度も上げられた可能性がある。

 <生の声を聞き出す>

 顧客からの生の声を拾い上げるのには、アンケート調査が最適である。一つ目はウェブを使ったアンケートである。利用するツールはいくつかあるが、「グーグルフォーム」というgoogle社が提供している無料のサービスが使い勝手が良い。アンケートの内容は、「選択式」「複数回答」「記述式」など、項目ごとに選ぶことができる。あまりにたくさんありすぎては、手間がかかり回答をしてくれないが、概ね25~40問くらいの質問が良い。内容をまとめたらURLとショートメッセージを終えて、顧客に一斉送信をかける。なお、回答者には500円分のAmazonギフト券を後日進呈しているが、発信総数に対して8-10%程度が回答に協力してくれる。

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 <入居者のホンネを探る>

 もう一つが座談会方式の調査がある。これは実際に来社していただき、アンケートの内容をより掘り下げてヒアリングをする。1回につき最大4~6名とファシリテーターがついて話を聞いて行くが、最初はなかなか本音を言わない人がほとんどだ。場の雰囲気をコントロールして、話をさせるように盛り上げていくのがポイントとなるのだが、結局ファシリテーター次第で、本音を聞き出せるかどうかが決まってくる。今日現在、東北、九州などで調査を行っているが、興味深い結果が出ている。地域によって多少ニーズの傾向は違うが、概ね入居希望者が求めているものは変わらない。少しだけ紹介すると、例えば、間取り・家賃・場所という部屋探しの3大要素から見るとどれも大事だが、ほとんどの人が「場所」(勤務先や学校へのアクセス)をベースにそれ以外を決めていくという回答だった。どんなにデザイン性が良い物件であろうとも、「場所」に当てはまらないとあまり検討できないという声が多かった。

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<長く住んでもらうには?>

 長く住んでいただくためには、入居するためには、「エアコン洗浄」「換気扇掃除」「賃料の値下げ」このあたりが求められている。長期入居者ほどお得意様なのに、賃貸の場合は「長く住んでいる人ほど高い」という現象がおこる。契約はその時に決めたものとは言え、退去されれば結局賃料も下げて決めなくてはならないため、オーナーにとっても不利になる。2-3000円下がるだけで更新の誘因となるのであれば、空室期間が出さずに賃料を下げた方が、メリットが高い。私自身も過去に、入居して4年経過したアパートで退去しようとしていたところ、貸主側から3千円値下げの話が出たので、そのまま更新をし他ところ、結果9年半も住んでしまった。ちょっとしたことを改善してあげるだけで、入居者満足度は高めることができるし、それにより優良長期入居者となってもらうことができる。データ収集しやすい繁忙期だからこそ、ニーズをしっかりと拾いあげ、空室対策やリーシング戦略に活かしていきたい。

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