オーナーの期待に応える、従業員の育て方

<オーナーの期待は高い>
 管理会社に対するオーナーの期待は年々高まっているように感じます。シビアな経営を行なうプロ投資家・サラリーマン大家が台頭してきたこともありますし、比較的鷹揚だった地主オーナーたちが、多額の相続税を支払いながら2世に世代交代をしてきていることも原因でしょう。バブル崩壊から四半世紀が経ち、オーナーたちはただ物件を管理するだけなく、もっと儲かる方法、安定的な賃貸経営の方法を教えてくれる存在を探しています。結果として、賃貸管理会社に多くの要望を持つようになっています。
 たとえば、投資に関する助言。物件の仕入れから売却まで、資産運用に関するアドバイスをプロである不動産会社からもらいたいと考えています。空室対策についても同様で、その道のプロである賃貸管理会社は、決まらない部屋があれば当事者意識を持って次々と提案してくれると理解しています。もちろん提案するからには、きちんと根拠があると考えていますし、それらを分かりやすく伝えられるプレゼンテーション能力も備えていると期待しています。
 しかし、現実はどうでしょうか。おそらく図のように、担当者のスキルとオーナーの期待との間には、大きなギャップがあるのではないでしょうか。この差を埋められなければ、管理会社が売買や相続の案件を任されることはありません。それどころか、ギャップによって生じたストレスは、前述のような「管理離れ」を引き起こしてしまうのです。