前回はメディアの効果的な利用方法とトリプルメディアについて触れました。今回は空室を決めるためのより現実的な情報発信について詳しく書いてみます。
無料で不動産情報を取得出来る様になった昨今、入居者の部屋探しはネット検索から始まります。成約した入居者からのアンケートによれば、“4割の人が来店前にネットで見た物件で成約している”と言うことがわかりました。 —21世紀住環境研究会データより−
つまり、情報が不足していた一昔前と違い、4割の人はネット上で物件の選定を自ら行い、物件を絞り込んだ上で不動産会社へ来店して成約に至っていると言うことになります。これは情報流通性が高まったからであり、今後はさらにメディアの合理化が進み効率的に入居者は部屋探しを行うようになると考えられます。絞り込みを今以上に加速させるためには、より多くの情報を発信することなのですが、表示形式が単調なままのポータルサイトやホームページでは載せられる情報量や見せ方が決まっていて、ネット上で決められる程の情報量では無いような気がしています。ブログなどを利用すれば情報をもっと沢山載せられますし、自由な表現が可能です。
一般的に入居者がネット上で部屋を決めきれない理由は、貸す側しか持っていない不利な情報を入居者はもっていない『情報の非対称性』にあります。つまり、不動産会社さんや管理会社さんしか知り得ない不利な情報はあえて公開しないないため、入居者は自分の目で現場に足を運び問題が無いかどうかを判断しなければいけません。小売りのインターネット販売については、『返品保証』があるため、消費者は安心して購入に踏み切れるのですが、『解約保証』がついていない賃貸では住んでみないと分からない状態を防ぐため、できるだけ情報を集めようとします。
それらを防ぐためにはできるだけ多くの情報を掲載すること、例えば近隣のお店、利便性、などは当然必要ですし、女性をターゲットにするのであれば駅からの道を時間帯別に詳述したり、物件のターゲットが決まっているのであれば、ライフスタイルに近い表現をしてあげれば不利情報も積極的に載せるべきです。