空室減らし稼働率を上げて、「オーナーの資産を最大化」させることは、管理会社に与えられた命題です。空室対策には賃料変更・リノベーション・テナントリテンション(入居者保持)・モデルルームやプロモーション改善などが中心に上げられますが、まずはそれらを実行するための組織体制の改善をしなければ前に進みません。
自社の物件稼働率は、周辺エリアの物件稼働率よりも高い事が理想的ですが、稼働率低下に悩む多くの管理会社では、自社物件稼働率の意識付けが弱いように感じます。空室改善のためには、まずは現状の空室を強く認識することが第一のステップです。下記に改善のためのステップを記載します。
①部屋別の空室日数の把握(全入居者が解約してから現在までの空室日数)
・空室になっている部屋が、これまで何日間空いているのか?と言うことを認識する必要があります。なかには数千日空室…というケースもあります。
②物件別の空室率の認識(空室数/総戸数)
・建物ごとに、空室率を認識しましょう。
③稼働率を担当別、部署別に管理し、稼動目標を明確にする。
・組織として、物件の稼働率に対する責任が明確になっていないケースが良く見受けられます。できれば担当部署、またはリーシング担当を置き、稼動目標の責任所在を明確化しましょう。
④課題物件の定義を決める(空室日数〇〇日以上)
・弊社では60日以上空室になると、『課題物件』として優先的に、その物件を決める施策をとります。エリアにもよりますが、60〜100日程度で設定するとよいでしょう。
⑤毎月の課題物件を明確化して、その物件を決める事に注力する
・空室数が多い管理会社の場合、同時に数百もの課題物件が生じるケースがあります。その場合には、全てに注力する事は到底不可能ですので、優先的に決めるべき課題物件を抽出してください。目標稼働率をいつまでに達成させるのかを決め、そこに向かって毎月何戸の物件を決めなければならないのかを設定しましょう。
⑥課題物件を成約するためのリーシング戦略(販促、営業、オーナー提案)を行い、そのPDCA(計画・実行・検証・統制)を行う。
・リーシング戦略とその方法は多岐に渡ります。リーシング戦略で一番必要なのは、どのような方法を用いて、どのような入居者に入ってもらうのか?という明確なターゲッティングです。それから、もちろんオーナーの協力無くして、空室が決まる事はありません。オーナーとの対話をする時間を持てるように、しっかりと業務の時間配分をしましょう。
上記をできるだけ見える化(できればアナログで普段から見えるところに掲示)して、会社全体での稼働率目標と現状を掲げる事が、管理会社が行う空室改善のための必要なステップと言えます。