業績が上がらない、 管理戸数が伸び悩んでいる…、悩みを抱える全国の賃貸管理会社様をご支援させていただくと、ある問題が共通していることに気がつきます。会社の規模は大小さまざまですから、これは賃貸管理業全体の特徴でもあるのでしょう。日々の業務は真面目にこなしているのに業績が上向かないのはなぜなのか? 今回は「管理業務の見える化の価値」について考えます。
■稼働率(入居率)だけが管理会社の価値?
皆さんもよくご存じの通り、賃貸管理という業務は煩雑かつ膨大な作業の連続です。建物の物理的な管理のみならず、入居者からの問い合わせに対応し、家賃を集金して送金し、解約が出ればこれを処理し、空室を募集して稼働率を高める…。中でも「3大・高負荷業務」となるのが「リーシング」「集金・送金」「入居者対応」ですね。集送金は1円たりとも間違えられない細かな仕事ですし、入居者対応は何かと体力勝負なところもある一方で、心的ストレスも大きいハードワークです。
しかし、集送金や入居者対応がどれだけハードでも、オーナーの管理会社に対する評価は「リーシング」に偏りがちではないでしょうか。もちろん、客付の強い・弱いは家賃収入に直結する部分ですので、オーナーが気にかけるのは当然です。管理会社としてもリーシングには注力するべきですし、管理物件の稼働率が会社の売り上げに影響を与える以上、社をあげて稼働率向上に取り組んで然るべきでしょう。
ですが、だからといって、客付けの力だけが管理会社の真の価値を決めるのでしょうか。これだけ多くの業務をこなしているにも関わらず、稼働率の数字ひとつで「あの管理会社はダメだ」とレッテルを貼られてしまうのは、いささか納得のいかないところではないですか? なぜ、オーナーはリーシングでしか管理を評価してくれないのか——、そこには「管理の価値」の伝え方の問題があるように思います。