管理戸数が5,000室ともなると、管理会社は客付仲介会社から日々300件以上も物件のお問い合わせを頂きます。通常月の倍以上の契約数となる訳ですから、その時期に少しでも多くの空室物件を決めることが、入居率を高める近道となります。私の前職は賃貸管理専門会社でしたから、客付け仲介はほぼ100%他社に依存しています。よって、客付け仲介会社に弊社管理物件の空室情報を知って頂き、優先的に客付けして頂くようなリーシング営業(企業間取引)対策が入居率を上げるカギとなります。
私がリーシングの仕事をしていた頃に実践していた、仲介会社向けのリーシング営業手法を下記に記載してみました。
①訪問営業(客付会社への営業訪問)
当然ですがフェイス・トゥー・フェイスのお付き合いは非常に大切ですし、自社の事や物件の事を鮮明に印象づけるには、効果が高いと言えます。ただし、管理物件の範囲が広い場合等は、ただ訪問するだけでは効率が悪いため、事前にアポ取りや短時間で印象づけるための広告製作などが有効な手段と言えます。また、新規業者訪問の際には、募集図面だけを持って飛び込むのではなく、できれば自社のPRをまとめたパンフレット類を持って行くのが理想的です。
②FAX営業(客付会社へのFAXでの営業)
FAXは一昔前のツールと言えますが、不動産業界ではまだまだスタンダードなツールです。ビジュアルの質や情報量の多さという面では、メールやネットに敵いませんが、FAXを用いた定期的な情報発信は有効な手段です。
③オウンドメディアの活用(ホームページ・BtoB専用サイト)
FAXに成り代わる手段として、管理会社から客付け会社への情報発信がネットになりつつあります。一方で、先にも述べた通り、FAX主流の客付会社や営業マンからは、わざわざその会社のHPや独自サイトまで情報をとりに行くのが、“めんどうくさい”と思われる傾向にもあるため、認知度の向上や、営業マン目線での使いやすさなどが必要となります。
④キャンペーンの実施(客付会社にメリットのでるキャンペーン)
短期間で物件を決めたい、自社物件を知ってもらいたいなどの時に有効な戦略です。ただし、ただ商品券を営業マンに渡すなどでは自社のブランド強化には繋がりにくいため、相乗効果を考慮した場合、インパクトのあるイベント感のあるキャンペーン実施をすることで、その効果が高まります。
⑤DM・メルマガ(継続的な情報発信)
DMやメルマガによる継続的な情報発信は、利用の仕方により瞬間的に成約を高める効果もあります。例えば“今週の目玉物件”として、良質な物件情報発信をする事で客付会社にメリットがあれば、その広告効果も高まるでしょう。
⑥ノベルティ配布
自社の事を知ってもらうためには、ノベルティなども広告効果が高まります。例えば、付箋やティッシュなどに自社の広告を載せることはよくある事ですが、弊社ではお菓子をベースにした広告戦略を展開しています。キャンペーンなどとも合わせて行うと相乗効果も生まれます。ユーザーにとって、楽しさや面白さを知ってもらう事で、より広告効果を高めることができます。
賃貸管理会社のBtoB営業手法と言っても、上記のように様々な方法がありますが、人が動くにしても広告を掲載するにしても、費用対効果を検証する事でより効果の高いものになります。各営業手法をスケジューリングして戦略的に行う事で、より営業効率が高まります。
※本当は、これ以外にそれぞれのメリット・デメリットを載せたいのですが、文字数の関係で一旦省略しておきます。