この時期はどうしても業務量が膨れ上がります。決まらない部屋を決めるため、あるいは原状回復について、オーナーと接触する機会も普段よりずっと多くなります。しかしその一方で、コミュニケーションの機会が減ってしまうオーナーが少なからず存在します。それは「普段から満室稼動」で「解約もほとんどない」「解約が出てもすぐに決まってしまう」そんな人気物件の「人柄が良くてクレームも言わない」ような、管理会社にとって有益なオーナーです。
問題のないオーナーほど、このコミュニケーション不足が問題になります。そしてその問題は、ある日突然「このたび物件を売却することになりまして…、新しい管理も売買仲介をしてくれた会社がやってくれるようです。今までありがとうございました」そんな風に言われて初めて表面化するのです。
<接点をどう作るか>
前述のような管理離れは会社にとって大きな機会損失です。なぜなら、これはただの管理離れではなく、
(1)物件売却の専任媒介を受ける
(2)他の自社管理物件オーナーに非公開物件の購入提案をする
(3)新オーナーに管理を継続してもらう
以上すべての機会を失ったことになるからです。
なぜ、多くの管理会社がこの機会を失ってしまうのでしょうか。その理由は、不動産のプロとして伝えるべき情報が伝えられていない——オーナーへの情報発信が不足しているからに他なりません。管理会社は本来、資産形成の重要なパートナーであるべきですが、オーナーは管理会社を「物件を管理するだけの会社」としか思っていないのです。まずは「資産活用提案ができる会社」であることを知ってもらわなければなりません。