他社を知ることが、なぜ重要なのか

■答えが社内にあるとは限らない

 繁忙期も一段落し、いよいよ4月。このタイミングで新しい社員を迎えた会社も多いかと思います。また、繁忙期の反省から新しい目標を掲げた会社もいらっしゃるでしょう。「もっと管理業務をうまくやりたい」「もっと儲かるかたちで管理ビジネスを成長させたい」年度末が忙しいほど、管理ビジネスの難しさを実感するものです。しかし、その方法を具体的に考えはじめると、意外と「何をすればいいんだろう」となってしまう会社が少なくありません。目標としているものが「管理ビジネスの効率化/成功」という大きな単位であるがために、それを実現するためのひとつひとつの方法が見えにくくなってしまうのです。

 加えて、気づきの問題もあります。業務改善や効率化について地道に順を追うなら、まずは業務フローの見直しが必須ですが、各人の業務の棚卸をしたところで「この仕事は無駄ではないか? もっと効率化できないか?」という気づきがなければ改善は前に進みません。しかし恐ろしいことに、今の業務に慣れ切った人々による検討は、そうした改善点を簡単にスルーしてしまいます。以前からこうだったから、前任者がこうやっていたから、などの理由で今のやり方を最善と思い込み、新しい発想を生み出せなくなっているのです。

 こうした状態の特効薬は、単純ですが、自社から飛び出して「外を見させること」です。思い切って外に目を向けさせ、他社はどうやっているのか、業界内ではどんな取り組みが進んでいるのかを学ばせるのです。残念ながら、賃貸管理会社はナワバリの意識から横のつながりが希薄で、あまり他社の様子を知る機会がありません。しかし、なればこそ積極的な情報収集は競合他社との差を生むのではないでしょうか。