入居者に長く住んでもらう方法とは?

 <入居者のホンネを探る>

 もう一つが座談会方式の調査がある。これは実際に来社していただき、アンケートの内容をより掘り下げてヒアリングをする。1回につき最大4~6名とファシリテーターがついて話を聞いて行くが、最初はなかなか本音を言わない人がほとんどだ。場の雰囲気をコントロールして、話をさせるように盛り上げていくのがポイントとなるのだが、結局ファシリテーター次第で、本音を聞き出せるかどうかが決まってくる。今日現在、東北、九州などで調査を行っているが、興味深い結果が出ている。地域によって多少ニーズの傾向は違うが、概ね入居希望者が求めているものは変わらない。少しだけ紹介すると、例えば、間取り・家賃・場所という部屋探しの3大要素から見るとどれも大事だが、ほとんどの人が「場所」(勤務先や学校へのアクセス)をベースにそれ以外を決めていくという回答だった。どんなにデザイン性が良い物件であろうとも、「場所」に当てはまらないとあまり検討できないという声が多かった。

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<長く住んでもらうには?>

 長く住んでいただくためには、入居するためには、「エアコン洗浄」「換気扇掃除」「賃料の値下げ」このあたりが求められている。長期入居者ほどお得意様なのに、賃貸の場合は「長く住んでいる人ほど高い」という現象がおこる。契約はその時に決めたものとは言え、退去されれば結局賃料も下げて決めなくてはならないため、オーナーにとっても不利になる。2-3000円下がるだけで更新の誘因となるのであれば、空室期間が出さずに賃料を下げた方が、メリットが高い。私自身も過去に、入居して4年経過したアパートで退去しようとしていたところ、貸主側から3千円値下げの話が出たので、そのまま更新をし他ところ、結果9年半も住んでしまった。ちょっとしたことを改善してあげるだけで、入居者満足度は高めることができるし、それにより優良長期入居者となってもらうことができる。データ収集しやすい繁忙期だからこそ、ニーズをしっかりと拾いあげ、空室対策やリーシング戦略に活かしていきたい。