業績アップのための3つのポイント②(仕組み化)

 前回の「見える化」に引き続き、今回は『仕組み化』について解説をしていきます。「仕組み化」とは、『いつ・誰が・何回行っても、同じ品質やレベルの成果物が出来上がること』を言います。通常、業務上では繰り返し行う作業が多数発生しますが、それらを効率よく、かつミス無くバラツキを減らせる方が望ましいはずです。例えば、オーナーへのお詫び文を作成する時に、毎回ゼロから作るのは非効率です。誰しもが上手に早く文章を作れる事ができれば良いのですが、必ずしもそうではありません。そこで一度、定型の文章や構成を決めて標準型を作ってしまえば、次回以降も使い回しが効きますし、誰が作っても文章表現が大幅に変わる事はないでしょう。

 賃貸管理業でも、繰り返し発生する業務は多数存在します。一例をあげると、賃料査定・原状回復工事依頼・解約受付・入居者対応・募集図面作成・WEB情報管理・入居者審査などがあります。例えば、賃料査定を例にあげると、弊社では新規受託のために年間約700件もの賃料査定をおこなっています。何の取り決めや基準も無く、査定をした場合、当然ですが同じ会社でも人により査定額が変わってしまうという自体が発生します。これらを無くすために『コンペア式賃料査定法』という仕組みを作り、査定の基準や方法を統一にすることによって、人的な査定ミスのリスクを減らしています。それ以外にも月間90~100件程度ある解約/原状回復工事は、以前は十数社ある業者へ、担当別に依頼を掛けていたため、ルールやフローも確立されていませんでした。そこで業者を5社程度に絞り込み、ITシステムを自社で構築して、業者と当社との工事案件を一元管理できる仕組みを構築しました。当社から見積もり依頼と言うボタンを押すと、先方の業者担当にEメールが届くようになっており、その中で発注依頼、工事終了後の写真の共有もできるようにしています。また、社員はその案件の進捗も全て見られるようになっています。

 規模が拡大する事により、案件数も増えルーティーン業務も増えて来ます。人の能力に頼ると、業務の品質や対応レベルの不確実性も高まるため「仕組み」を考案することで、より多くのスタッフが業務を同じ品質で行えることになります。仕組み化の代表例としては、業務マニュアル作成・テンプレート化・IT活用(ソフトやシステム)・アウトソーシングの利用などがあります。