たまに、水道水が臭いとか濁っている、という苦情はありませんか。
同じマンションで他の部屋からも苦情が出る場合の
蛇口からの赤茶色の水は、水道工事や受水槽清掃による一時的なものもありますが、
主として古い給水管に発生した鉄錆が原因です。
最近の給水管は、塩化ビニルやポリエチレンなどの合成樹脂を被膜して、鋼部分と水を
接触させないようにしてサビ防止を図るライニング鋼管が主流になっていますが、
継ぎ手箇所で鉄が露出し、腐食して錆が発生することがあるそうです。
問題は、特定の部屋だけの症状で、サビによるものではない場合です。
この場合、「逆流」が考えられます。
何らかの原因で、給水管内が負圧(圧力が低い状態)になったときに、
マンション内の別の部屋で、たとえばシャワーホースを水の張った浴槽に入れっぱなしにしていたとして
その浴槽の水が逆サイホン作用により、給水管内に逆流することがあります。
浴槽に溜まっていた水は、別の部屋の水道の蛇口をひねると出てきてしまうのです。
もしその溜まっていた水が、洗剤や漂白剤などを溶かした水であったら・・・
考えただけでも怖いですね。
通常、蛇口はシンクなどの器具の縁より上に設けられています。蛇口の口端と縁との間の垂直空間を
吐水口空間といいます。この空間があれば、給水管内に負圧が生じても吐水が逆流することはありません。
日常的にホースをつけているような、屋外の水栓などには、バキュームブレーカーという装置をつければ
逆流を防ぎ安心です。
ただ、他の入居者がどういった使いかたをしているかまでは調べることができませんよね。
できれば、入居のしおりなどで入居前に、十分に注意喚起しておくことが必要ではないでしょうか。