知識レベルを高めて、オーナー満足度を高めよう!

<社員の知識不足を解消する方法>

 これらを解消するのには時間がかかるが、まずは「知識が足りていないことは大きな問題である」ことを、社員に認識させなければならない。マネージャーは、オーナー面談に積極的に同行をして、終了後のフィードバックを細かなところまで伝える必要がある。「知らないワードが出てこなかったか」「オーナーが何を求めていたのか」などは、必ず抑えた方が良い。もし同行に時間が取れないようであれば、営業ロープレを通じてフィードバックをしてもらいたい。それから、日経新聞の1つの記事を抽出して「1分間プレゼン」も良い。日経新聞に取り上げられているどんな記事でも良いので、毎朝の朝礼で順番にプレゼンをする。人に聞かせて理解をさせるためには、しっかりとした理解と周辺知識も必要になる。また1分で伝えるためには、それなりの要約力も必要となるため、良いプレゼンテーションのトレーニングになる。どんなニュースを選ぶのかで、社員のトレンドを知ることができるし、そのニュースの結果「何を思ったのか」をしっかりとプレゼンできているかがポイントになる。また、聞いている周りの社員から一人一人質問をして行くと、回答力も強くなりさらに知識が深まる。また、大きな社会問題になるような不動産に関わるニュースなどは、テスト形式にして行ってみると良い。2018年、2019年と不動産関連の大きなニュースが社会問題化していた。その辺りは私たちの業界では一般常識であり、それを知らずに自社オーナーと対話していることを想像するだけで恐ろしくなる。ちなみに私の経験上、私が感じているスタッフのレベル感とテストの結果はほとんどシンクロしていた。

<業界のことを知る>

 また、不動産業界にある事象や商品にテーマを絞って、「コンテンツ研究発表会」をやるのも良い。「賃貸業界のフランチャイズ」「リノベーション商品と自社事例」「自社と近隣ライバルの管理サービス」「不動産テックの今」「賃貸管理ソフト比較」など、テーマはいくらでも広げることが可能だ。他社サービスやその周辺を研究することによって、客観的に自社を知ることにつながる。交代でプレゼンテーションをするのだが、それぞれが徹底的に調べたものについて、社員がそのまま見聞を広げることができるので、一人の研究が何倍もの知識効果を生むことになる。自社のどこが強みで、どこが劣っているのかを気付くことができなければ、オーナーに対して良い提案ができるはずもない。日常の業務の中でも、ちょっとした時間の使い方をするだけで、全体の知識を高められる機会がこんなにもある。賃貸管理のレベルアップのためには、社員の知識レベルの底上げは欠かすことができないのだ。