管理会社における、理想的な人材配置

<「考える仕事」の割合を上げる>
 この手の問題を抱える会社は、往々にして「社員に何でもやらせよう!」という体質です。募集から退去までこなせるオールマイティーな人材が育つメリットがある一方で、募集から退去までを追いかけるのに精いっぱいになってしまい、会社の宣伝や成長戦略を考える時間がなくなってしまいます。スタッフ10人の月間総労働時間が2000時間あったとして、問題を抱える会社を分析すると、驚くことにほとんどの企業が3〜5%以下(60〜100時間)しか「分析・戦略・提案」に時間を注げていませんでした。これは、スタッフ1人が月に6〜10日働いている程度の時間でしかありません。
 収益を上げ、業績を上げたいのであれば、社員に会社を成長させるための戦略を「考える仕事」を与えなければなりません。可能であれば20〜30%を「考える仕事」に割かせ、バランスのいい業務割合(図2)を目指したいものです。1人につき3割ずつ時間を捻出させてもいいですし、思い切って「提案専門の部署」「分析・戦略専門の部署」を作ってしまうのも優れたやり方です。専門部署であれば、水漏れなどの緊急案件が発生しても業務が後回しにされてしまう心配がありません。