■長期空室を決めてこそ繁忙期
今年も間もなく繁忙期がやってきますね。一年でもっとも忙しく、もっとも稼げるこの時期に、どれだけ空室を埋められるかという課題は、会社の業績を左右するのはもちろんのこと、オーナーとの良好な関係を維持するためにも重要なミッションと言えます。お得なキャンペーンを用意し、募集条件を改訂し、空室を埋める手だてを考えつく限り打っていきましょう。ここで築いた稼働率の高さは、必ずや管理受託営業の強力な武器となるはずです。
ただ、この時期に気を付けたいのが、忙しさを理由にした空室対策提案の大幅な減少です。繁忙期の契約数・業務量の多さは、他の時期とは比べ物になりません。結果として、スタッフの労働時間の大半は目の前の接客や契約処理に使われてしまいます。図に示す通り、契約数とオーナー提案の時間とは反比例の関係なのです。しかし、この提案時間の減少をきちんと問題視できている会社はそれほど多くありません。
なぜなら、表面上は「空室対策をしなくても決まる」からです。賃貸需要の急増が、自動的に空室を埋めてくれるからです。だから、多くの会社が「この時期は空室対策の時間がとれなくても構わない」と考えているのです。果たして、本当にそうでしょうか。需要増加によって「空室対策をしなくても決まる部屋」が自動的に決まっているだけなのに、忙しさを理由に「空室対策をしなければ決まらない部屋」への改善提案の時間まで減らしてしまって、それでいいのですか? 空室対策提案の最後のタイミングである今を逃して、貴社の抱える長期空室物件はこの3月までにきちんと決まるのですか?
通常期ではなかなか決まらない物件も、空室対策の内容によっては決まってくれる、それが繁忙期のいいところです。契約件数を追いかけるだけでなく、きちんと空室対策提案を行なって、リーシングに問題のある部屋の空室解消に注力しましょう。この時期だからこそ、長期空室物件の成約率に注目すべきです。その数字に、オーナーへの提案の過不足が反映されているはずです。