発動の機は周遊の益なり。

小倉駅を後にして、東へ向かいます。
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関門海峡に入ると、突然長い暗闇が訪れます。
そして山口にやってきました。
山口といえば、長州藩です。
ここのところ、幕末の乱世、明治維新まわりの見聞を広めているのですが、知るたびに深くものすごい時代があったものだと驚かされます。
その中でも、吉田松陰の存在は欠かすことができません。
尊王攘夷論を広く伝え、後の維新に大きく影響を及ぼした人です。
やっていることは、周りから見たら相当に狂っている人だったに違いありません。
日本中を駆け巡り、来航したペリーの黒船にちっこい舟で乗り込んだのですから、ふつうにあり得ないですよね。
そんな松陰の言葉にこんな一節があります。
「心はもと活きたり、活きたるものには必ず機あり、機あるものは触に従ひて発し、感に遇ひて動く。
発動の機は周遊の益なり。」
“心はもともと生き生きしたもので、必ず動き出すきっかけがある。そのきっかけは何かに触発されて生まれ、感動することによって動き始める。旅はそのきっかけを与えてくれる”



簡単に言うと、モチベーションの話なのですが。


同じ世界や狭いところに留まっていては、世の中の大きなうねりは見えてきません。
外に出て、見聞きすることで己の力を知り、今何をすべきか、何をしたいのかが見えてきます。


人の能力を高めるために、どうしたら良いかをよく考えるのですが、この一節を見て解せました。


知らないことほど、恐ろしいことはありません。
知らないことが、いつか自分の動機付けを奪っていきます。
全ての答えは、自分の中に眠っているんですね。


私自身がやれていること、やれていないこと、それぞれたくさんあります。
全てが当たっていなくとも、少なくとも松陰先生の言葉を聞き間違ってはいないのだと感じました。


気づきを与える機会を作れる立場にあり、もっと深めて行きたいと、改めて強い気づきを得ました。


なんだか、よりもっと当時の動乱の日本を知りたくなってきました。
先人が命をかけて得た答えが、いろいろ眠っているのですから。