ガイドラインが出来ます。

心理的瑕疵の取り扱いや告知については今まで明確なルールがなく、宅建業者によって判断がわかれるところではあったと思います。今年2月、国土交通省において「不動産取引における心理的瑕疵に関する検討会」が開催され、
今月になって初めて、「宅建業者による人の死に関する心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン(案)」が作成され、パブリックコメントが開始されました。

ようやく、という感もなくもないですが。

ガイドライン(案)の内容ですが、前提として、
・建物内での人の死についての心理的瑕疵(病院に搬送された後の死については対象外)
・隣接住戸や建物を取り壊したあとの土地は対象外 となっています。

告知義務の有無について
・原因が明らかでない死 → 告知義務あり
・自然死 → 告知義務なし
・日常生活の中で生じた不慮の事故 → 告知義務なし
 例:階段からの転落・入浴中の店頭・食事時の誤嚥など
・ただし、告知義務がない原因の死であっても、長期間放置され特殊清掃が行われたようなケース → 告知義務あり

告知の内容と範囲について
・発生時期、場所、死因
・事案の発生からおおむね3年間

パブリックコメントは6月19日までです。
ガイドラインが正式に制定され、宅建業者がそれに従わない行為を行ったとしても、
ただちに宅建業法違反になるものではありませんが、トラブルの未然防止につながることは
期待されます。