労働生産性の高い管理会社になるには?

<不動産管理業における生産性は?>

 不動産管理業においても同じことが言えます。言われるがまま、なんの利益にもならない仕事をやりすぎてしまっている気がします。もっと価値の高い仕事を行い、しっかりとフィーを得なければならないのです。皆さんは今、現状より労働生産性が高まった状態をゴールに据えて色々な取り組みをされていますが、では、「賃貸管理会社において労働生産性が高い状態」を、具体的にイメージできているでしょうか。社内でどんなことが起これば「生産性が高まった!」と言えるのでしょうか。
 人それぞれ答えは違うと思いますが、私は、ずばり「社員の“提案力”が高い状態になること」と考えます。仕事柄たくさんの不動産会社を見ていますが、生産性が高く、会社の利益を次々と作れる管理会社は、社内の古い部分・非効率な部分・これまで挑戦してこなかった部分にメスを当て、改善提案する力が社員に宿っていると感じるのです。
 私たちはプロパティマネジメントの本懐を「オーナーへの改善提案」と定義していますが、果たして自分の会社の改善提案ができない社員に、オーナーの賃貸経営の改善提案ができるでしょうか。おそらくできません。そして、提案のない会社は収益を得られないまま、目の前の作業的業務に人件費を費やし続けるのです。

<考える仕事が社員を育てる>
 なぜあなたの会社には、提案をしてくれる社員がいないのでしょうか。その答えは、多くの場合「そんなことを考えている余裕がないから」という一言に尽きます。
 賃貸管理は忙しい仕事です。やることが多く、業務の幅が広く、時間の制限も曖昧で、案件は緊急のものがほとんどです。結果として、管理会社の社員の仕事は「すぐにやらなければならない作業」で埋め尽くされていきます。頭よりも、いかに早く手を動かすかが重要な「作業」によって多くの時間が奪われてしまうのです。
 しかし、指示通りに床を拭いたり、草をむしったりといった作業ばかりでは、個人の成長はありません。個人の成長がなければ、人の集合体である組織が成長しないのもまた当然です。社員の能力を育てるのは「こうしたら上手くいくのではないか」という思考と、それを提案・実践した経験です。草むしりを頑張らせるのではなく、「防草シート施工を提案すれば売上が作れるのでは?」「施工すれば来夏の草むしりの人件費を他に使えるのでは?」と考えさせ、提案させることこそ「生産性が高い状態」ではないでしょうか。賃貸管理会社の本来の仕事とは、清掃や修繕といった作業ではなく、賃貸経営をするオーナーのアドバイザーとなり、資産の最大化を図ることなのですから。