<何を伝えて管理戸数を増やすのか>
管理会社の目的は、なんといっても管理戸数を増やすことです。しかし、多くの会社は仲介業務などのついでに漫然と戸数を増やしてきているため、いきなり社長が「管理戸数を増やすぞ!」と息巻いたところで、スタッフたちは何をどうしたらいいか分からない、といったことが多々あります。オーナー様に営業をすればいいのは分かるのですが、何を話せば契約がとれるのかが分からないのです。
そういう時は、まず自社の現状を客観的に分析することから始めてみましょう。代表的な手法に『SWOT分析』というものがあります。これは、自社を取り巻く環境の中の機会と脅威(外部環境)、そして自社の持っている強みと弱み(内部環境)を抽出することで、経営資源の最適活用を図る経営戦略策定方法です。強み (Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats)の頭文字をとってSWOTと呼びます。
それぞれについて、できるだけたくさん書き出してみてください。4つのカテゴリに分けて書いていくと、オーナー様から物件を預かった際にできること・できないことが、次第に見えてくるはずです。その中でも最も着目すべきポイントは、自社の『強み』です。「客付け力が高い」「入居率が90%以上」「地域密着型」「情報発信力が高い」などの項目が強みとして挙がっていませんか? もし挙がっているなら、あとはそれをオーナー様に伝えるだけです。強みを示して「うちにお任せいただくとこんなに良いことがあります」と伝えることが、管理受託営業の第一歩なのです。

<強みを伸ばすメリット>
また、4つの要素の中で『強み』に着目するにはもうひとつ理由があります。それは、弱みを補うよりも強みを強化するほうが競争優位性を高めやすく、企業価値をアピールするうえで効果が高いからです。
たとえば、現時点で90%の入居率をさらに強化するとしましょう。入居率90%を95%まで引き上げることは、80%から引き上げるよりも少ない労力で実現できるはずです。そのうえ、万一それが実現できた際には「入居率95%」という、他社には追随の難しい確固とした強みが手に入っています。強みを伸ばすということは、少ない労力で強力な武器を手に入れるということなのです。
「地域ナンバーワンの客付力」「管理エリアを2km圏内に限定し迅速な対応」「定期借家契約を用いて独自の管理メニュー」「空室対策等の豊富な提案力」「24時間365日の入居者対応」等々、早期に獲得できそうな強みはありませんか? 確固とした強みは、強みが強みを生む好循環をつくり出します。
<「機会」を活かす体制作り>
最後に「機会」に注目します。業界の流れを敏感に察知し自社の強みと絡めることができれば、通常よりもずっと大きな成果を得られるからです。
たとえば、賃貸業界にはIT化の波がやってきています。これを「脅威」と捉えるか「機会」と捉えるかは会社次第ですが、大別して管理会社は「機会」と捉えて動くべきでしょう。ITは情報流通を大きく変化させます。インターネットの普及によって、管理会社は仲介業者を経由せずともエンドに接触することが可能になりました。この状況に対して、いま何ができますか? ホームページ改善・メール営業・SEO対策・SNS活用…、様々な対策がありますね。しかしそもそも、それらを行なうための人的資源や時間は残されているでしょうか。