<御社は、どのタイプ?>
全国には430万戸以上の賃貸物件の空室が存在しているが(平成30年土地統計調査より)、新築物件は増え続けていく。本来であれば、必要とされる物件を必要な分だけ市場に供給すれば良いのに、そんなにうまく昨日していない賃貸市場は受給ギャップがますます広がる。このような環境の中で今後どのように賃貸経営をするオーナーを支えていくのかが、管理会社の命題である。長い間入居者が入らなければ、さすがにどんなオーナーでもイライラし始めるのだが、管理会社から「家賃が高いので、下げないと決まりません…」と。このような「ディスカウント提案型管理会社」ではオーナーの信頼を勝ち得ることはできない。もちろん最終的にモノの価格は、需要と供給できまる。つまり、消費者はより条件の良いものへと感心が向かうのは当然である。賃貸に関しては、家賃を安くすればするほど入居者がつきそうな気もするが、一方で滞納や事故歴のある「不良入居者」が入居してくる可能性がある。よって、一概に賃料を下げれば良いということには繋がらないのだが、せめてオーナーから「早く決めてよ!」と言われる前に、改善提案ができる管理会社にならなければいけない。なかには、空室対策のための提案すら全くしてこない「放置型管理会社」も数多く存在していて、管理会社の義務を全うしていない(これは私の所有物件を管理している会社がこの典型)。決まらないのであれば、その理由をロジックに落とし込んで提案をしてくれる「ロジック提案型管理会社」にならなければいけない。
<問題と原因>
空室対策には「ロジック」が必要だ。管理会社からの提案にロジックあるのかが、管理会社のレベルを決めると言っても過言ではない。その空室対策の第一歩は「空室要因分析」である。
今、なぜ空室になっていて、その原因となっているものは何なのかをよく考えなければいけない。空室要因には「内部環境(物件自体の問題)」、「外部環境(物件を取り巻く市場)」、「管理会社」、「オーナー」と、大きく4つのカテゴリーがある。一つの要因に「なぜそうなのか」を繰り返していくとロジックツリー(展開)が出来上がる(なぜなぜ分析)。例えば、「物件の共用部が汚い」という問題があったとする。これに「それはなぜか?」という問いを繰り返していくと、共用部が汚い→以前から汚れている→定期清掃をしていない→お金がかかる→オーナーが費用を出さない→よって内見がなく決まらない、となる。このように「なぜなぜ分析」を用いて問題を掘り下げていくと根本の課題が見えてくる。もちろん要因はひとつではないため、いくつかの枝になっていくため、それぞれの要因の根本を突き詰めなければ問題解決に至らないことが多いが、管理会社として提案にロジックが足りていないと考えられる場合には、「なぜなぜ分析」を用いて問題の根本を探して欲しい。