高級外車を保有するユーザーは、美意識が高い人も多く、物件のデザインのディテールにもこだわる。実際、市場にあるガレージハウスを見ても、なかなかデザインを細部までこだわっている物件は少ない。高級な資産を置くためのスペースが、「ただの車庫」では、美意識の高いオーナーの満足を得られない。競争が激しくなった時、デザイン性というのは希少価値になりやすい。ただ建てるのではなく、市場が必要としているものを創造することが、結果として長期の安定経営に向かうことになる。
最後に、これからの「外国人入居者」のニーズについてである。ここ数年での当社における契約数をみると、2016年は10.9%であったものが、2017年は14.2%、2018年は15.8%まで増えている。その内訳としては、学生が9割程度である。一昔前であれば、「外国人入居者はお断りしたい」などというオーナーも少なくはなかったが、これだけ空室も増えればそうも言っていられないのが現状であり、昔のように外国人が賃貸住宅に入居していることが特別なことではなくなっている。実際に言葉の問題こそ多少なりとあるが、入居のマナーなどについて大きなトラブルになることはほとんどない。昨年末、出入国管理及び難民認定法(以下、入管法)の改正が可決されたことで、今後、外国人労働者の在留資格が設けられ、就労者として日本に居住する外国人が大幅に増えるはずだ。これまで外国人だからと断られていたものが、法人契約で外国人入居者を住まわせることになれば、オーナーもこれまでの悪いイメージではなく、安心して賃貸することができるようになるはずだ。これまでは外国人だからという理由で少なかった選択肢が、オーナーや管理会社の認識が変化することになれば、大きく供給が増え選べるようになるはずだ。その状況になった時、どのような物件が外国人に選ばれるようになるのか、今後の対策として事前にリサーチをしておくことも必要となるだろう。当社管理物件の国別契約数をみると、圧倒的に中国籍が多く、続いてベトナム、韓国となっている。それぞれの国によって「住まいかた」の価値観は異なるのだから、設備や間取りなど、入居者の国にセグメントを絞って企画することが、これからの賃貸経営には必要になるのかもしれない。