昨日に引き続き、地震に対する備えとして、地震保険についてみていきましょう。
最近では、火災保険に加入する際に、地震保険を付保される方がほとんどになりました。地震保険は、単体では契約できませんが、既に加入されている火災保険に追加という形でいつでも付保することができます。
また、保険金は、メインの火災保険金の30%〜50%と決められています。ただし、建物は5,000万、家財は1,000万までと上限があります。
地震保険は、被災者の生活の安定に寄与することを目的としています。大きな地震が起きたときに巨額になる地震損害を政府が再保険することにより成り立っています。公共性の高い保険で、その内容は法令によって定められています。
支払われる保険金額は、実際の損害額ではなく、損害の程度によって一定の割合で決められています。(2017年1月に損害区分が変更になりました)
損害区分は、
全損(建物の時価額の50%以上・延床面積の70%以上)
大半損(建物時価額の40〜50%・延床面積の50〜70%)
小半損(建物時価額の20〜40%・延床面積の20〜50%)
一部損(建物時価額の3〜20%)と分けられています。
2016年の熊本地震の際は、地震が起きたすぐ後に、各保険会社の調査員さんが現地入りをしました。実際には現地への往復が困難な状態だったので、近隣の市のアパートを数部屋借り、そこを拠点として、保険契約のある建物の調査を一斉に行われました。そこで損害区分を決定し、速やかに保険金を支払うといった流れでした。
また、地震の被害報告をしていない契約者に対しても、電話連絡で被害がなかったかどうかのヒアリングをされていました。
私は当時管理会社にいたのですが、このような保険会社の動きには感激したことを覚えています。
地震保険は、もし全壊したとしても、最大で火災保険金額の50%しか保険金が出ません。建て替えを行うには十分な額とは言えませんが、その目的や特性を考えると付保しておくべき保険だと思います。