賃貸管理会社を見極める、7つのポイント

<自主管理物件の客付優先順位とは?>

 入居者募集の観点からしても自主管理物件は、客付け不動産会社から見たら紹介する優先順位が一番低くなります。それは、不動産会社が預かっている管理物件を優先的に決めなければならないからです。決めなければならない物件があるのに、あえてそれ以外の物件を紹介するには、「よほどの“決めぶつ”(決めやすい物件)」または「高額の広告料がもらえる」などがないと、不動産会社は動いてくれません。そのため、紹介優先順位を上げてもらおうと多額の広告料を払う自主管理オーナーもいますが、それであれば始めから管理を任せてしまった方が良いのではないでしょうか。

たとえ管理を任せていたとしても、必ずしも良い管理をしてくれるとは限りません。あまり良くない管理会社であれば変えてしまうのも手ですが、管理会社を変えるのには思っているよりもオーナーの労力がかかりますし、これまで世話になったのにドライに打ち切るのも気が引けるものです。そうならないためにも、始めから良い管理会社に任せられることが重要なのですが、果たしてどのようにしたら満足のいく管理会社を見つけることができるでしょうか。

<管理会社を見極める7つのポイント>

  1. 管理委託契約の内容(業務範囲)が可視化されている
  2. 5%の管理料でどこまで何をやるのか明示されている
  3. 業務が可視化されている(レポートなどを通じて)
  4. 改善提案に、根拠がある(分析、戦略)
  5. 提案に選択肢がある(家賃を下げましょうだけは最悪)
  6. 積極的な情報発信がある(会報誌やセミナーなど)
  7. 投資分析など、不動産賃貸事業に用いる数値や内容を理解している(共通言語を持つ)

 良い管理会社を見極めるためには、7つのポイントをチェックするとよいでしょう。まずひとつ目に、支払う管理料に対して、「管理業務の内容が明確に表記されている」かをチェックしてください。管理委託契約または別紙業務内容が記載されているパンフレットなどでも構いません。例えば、「募集図面作成」「入居者クレーム対応(設備、入居者間、ゴミ、駐車場など)」「解約手続きの確認(退去日、手続き、退去時注意、精算方法など)・通知」のように、具体的にどこまでが「管理料に含まれている内容」なのかを確認できれば良いでしょう。管理料率に応じてサービスが変わるような管理メニューがあるのも、選択肢が増えますし、費用対効果が明確に測れます。続いて、「業務が可視化されている」ことも重要です。『募集をしているのですが、一向に決まりません。大家さん家賃を下げてください。』と口頭だけで言われても全く説得力がありませんし、むしろ腹立たしく感じませんか(笑)。どんなリーシング戦略を立て、いつそれを実行したのかというリーシングレポート(報告書)のようなものがあればベストですが、なかなかそんなことができる会社も少ないものです。それから「入居者対応が可視化」されているか、ということも判断材料です。