高齢者入居のハードルは下がるか

何歳以上を高齢者というのかはさておき、高齢者の単身入居はリスクが高いと思われがちです。
実際に、賃貸借契約中にお亡くなりになった場合に問題になるのが、契約の解除と部屋の引き渡しです。
(ここでは、いわゆる孤独死には触れません)

賃貸借契約の賃借人が亡くなった場合、賃貸借契約は相続されることになっています。
ですので、住む人がいなくなっても、誰かが契約解除をしない限り、契約は継続されることになります。
通常はご親族が手続きや部屋の引き渡しを行うことがほとんどですが、相続人がいないケースもあります。

そういった場合、賃貸人が勝手に部屋の中のものを処分することはできず、家賃が入ってこないのに新しく募集も出来ないということになります。
賃貸人は利害関係者となるので、裁判所に相続財産管理人の申し立てを行うことは可能ですが、選任された相続財産管理人が残財産の処分を完了するまで、かなり長い期間がかかると思われます。

高齢化が進む中、こういった単身高齢者入居のリスクを極力減らし、受け入れを推進させるために、
国土交通省と法務省は、「残置物の処理等に関するモデル契約条項」を発表しました。

内容としては、賃貸借契約の開始時に
・賃借人の死亡時に、賃貸借契約を代理解除
・賃借人の死亡時に、残地物の廃棄や指定先への送付等の事務
この受託者を決めてしまおうというものです。

想定される受託者は、賃借人の推定相続人の誰か、や居住支援法人などです。

賃貸人が安心して単身高齢者を受け入れるためには、保険や家賃保証契約とともに、
必要となってくるかと思われます。